審査委員会メンバーをご紹介致します。
(順不同)
Nicolas Sale
【審査委員長】
二コラ・サル氏
フランスのみならず国際的に有名なシェフ。パリ出身。Alain Senderens, Pierre Gagnaire, Philippe Legendre (George Vホテル)、Marc Marchand (Meuriceホテル)などの有名シェフたちの下で長年の修業を積んだ後、2003年にHyatt Paris Madeleineで初めてシェフとなり2006年には南仏のHotel Castelleのレストランで星付きシェフとなる。
2009年、Cap d’Antibes Beach Hotelに移り、ホテルのレストラン « les pêcheurs » の星を維持する。2010年にはCourchevelにあるKilimandjaro、K2のホテルのレストランでのシェフとして、それぞれ2013年と2014年にミシュランの星を獲得。このことによりこのリゾート地で一番の星付きシェフとなる。2015年に 、歴史のある地での4年ぶりの再オープンとなったホテル・リッツの総料理長となり、2017年にリッツのレストラン « La table de l’espadon » は2つ星、« Les jardins de l’espadon »は1つ星という、 1898年以来となる星を獲得する。同年にシェフという雑誌に今年のシェフに選ばれる。2018年から エスコフィエ代表。
ニコラ・サルは旅行や芸術・スポーツを愛する創作料理人で常に素材からインスピレーションを受けている。彼の料理は伝統とモダンが混ざり合い、味を豊かにする。
Valérie Stalport
パリ市内お茶専門店 neo.T. の経営者
ヴァレリー・スタルポール氏
ジャーナリストであったヴァレリー・スタルポール氏は、中国文化に魅了され、15年間お茶の世界に携わり、その後ジャーナリストを辞め、2007年にneo.T.というお茶専門店をパリで創業する。以来、彼女は毎年春になると日本、中国、台湾、インド、ネパールといった数々の生産者国を訪れ、その地の生産者の匠を学ぶとともにお茶の専門技術を年々深めていく。
パリのモンマルトルの丘の麓、アベス地区に根差しているお茶専門店neo.Tは、日本茶と中国茶が看板商品の人気店。新茶セレクションや本物の味を求めるお茶の愛好家たちにとって、なくてはならない場所である。
店では定期的に試飲会を開いたり、日本の生産者を呼んで交流会をしたり、お茶にまつわる陶器の展示会をするなど、和気あいあいとした雰囲気の中でお茶を楽しむ場を提供している。
Barbara Dufrene
Teaジャーナリスト
バルバラ・デュフレヌ氏
お茶の専門家であり、フリーランスとしてその知識を発信しているバルバラ氏。カカオ、チョコレート、カフェ、お茶業界で長年キャリアを積んだ後、1992年から2004年まで欧州茶委員会の事務局長を務める。数々の茶農園を訪れ、地域を知り、お茶を味わい、どっぷりとお茶の世界に。
2011年からは商業新聞やお茶関連の雑誌にお茶やカフェの記事を執筆する傍ら、アトリエやお茶のPR活動をしている。
また、« la Nouvelle Presse du Thé » (新・お茶誌)というブログで、お茶の魅力を発信。お茶への情熱は尽きない。
Hugues Peyrebère
お茶のコンサルタント、試飲分析家、Teisuto創設者
ユーグ・ペルベール氏
日本茶専門店の創設者、ユーグ・ペルベール氏は20年以上にもわたってお茶に携わってきたお茶の専門家。パリのお茶屋さんでキャリアを開始し、フランスの有機茶輸入会社の営業責任者を経て、小売り業者、高級食料品店、お茶専門店との関係を築き上げてきた。新世代の生産者達を前面に出し、独自のお店をつくりたいしたいという思いから2022年、Teisutoを創設した。自身のブランドのもと、プロや個人に向けてとりわけ日本茶の味わいとその情熱を伝え、発信しつづける。ヨーロッパにお茶の魅力を伝える使者でもあり、また販売者でもあり、フランス市場向けのお茶を探求し、生産者の産地へ頻繁に出向いている。
François Lavergne
シャンパンメーカー Champagne Lavergne の経営者
フランソワ・ラヴェルニュ氏
シャンパンメーカー« Champagne Lavergne » の経営者、« Explore Food Tours »の創設者。フランソワ・ラヴェルニュ氏は農業、ワイン醸造学、ブドウ栽培のスペシャリストでありグラン・ノブル・パリ・テイスティングスクール専門学校の教師でもある。
繊細な味の違いを見分ける味覚を持ち、毎年開かれる日本酒ソムリエのコンクールで日本酒のアンバサダーと初代チャンピオンの座を得る。何度も来日経験あり。日本のコルドンブルー開校時には総括者に任命され、また旨味の専門家としても活躍するなど、日本料理界に精通している。
Olivier Scala
仏大手茶会社 GEORGE CANNON 5代目
オリビエ・スカラ氏
オリビエ・スカラ氏は1978年に、家業であるジョルジュ・カノンという100年以上の歴史を持つ茶専門の老舗の5代目となる。記憶力と五感を駆使しながら父親のレイモン・スカラ氏と共にお茶のブレンドや購入における戦略などのノウハウ、テイスティングについての知識を深めていき、著名なお茶の専門家として名を馳せるようになる。2000以上もの種類のフレーバーティーを商品化し、その多くが賞を取ってきた。
これまでにフランス茶業会議所および茶組合の会頭、更には欧州茶委員会の事務局長を務めた経験を持つ。
自身の技術を伝えたいとの想いで、講演、研修、テイスティングの授業などを行い、多くの人にノウハウを教えている。
2017年に彼の息子オギュスタン・スカラが会社を継いでからも、お茶のブレンドやテイスティング、商品化に携わり、ジョルジュ・カノンの指導者として、高級茶の業界で誰もが認める第一人者の一人として茶業に携わっている。
Pascal Marquet
パリ市内ワイン専門学校 Grains Nobles 校長
パスカル・マルケ氏
パリで最も古いテイスティングスクール「グラン・ノブル」で17年前からオーナー、校長を務めるテイスティングのエキスパート。名門、高等師範学校の元学生。毎年、ドメーヌの共同経営者であるオベール・ド・ヴィレーヌ氏による、ロマネ・コンティの試飲を行っている。
現在、パリ政治学院でワインのテイスティングやワイン文化の講座を受け持っている。
また、他のグラン・ゼコールと呼ばれる名門高等教育機関でもワイン同好会に参加し、様々なワインテイスティングの審査に参加している。
日本と日本文化への情熱によって、自然と日本酒と日本茶という洗練された製品に目覚めた。
Gabriel Lepousez
神経生物学者、知覚神経と脳の可塑性*の専門家
味覚と知覚神経の教育機関、l’École du Nez共同設立者
ガブリエル・ルプゼ氏
リヨン高等師範学校で分子生物学を学び、生物学・地質学の大学教授資格を持つ。ピエール・マリー=キュリー大学にて神経科学の博士号を取得し、現在はパスツール研究所、知覚と記憶の研究室の研究者。15年以上にわたり嗅覚における脳の機能を研究し、通常及び病理学的な状態において環境からの情報をどの様に認識、分析、記憶するのかを探求してきた。光遺伝学などの最先端の技術を使用し、神経ネットワークと神経可塑性が私たちの心象表現、記憶、感情をどのように形成するのかを研究している。フランス国内外の教育プログラムや大学での講義、研究会、コラボレーションを通じて、最新の科学を元に味覚や味の問題に私たちの脳がどの様に機能するかの教育にも取り組んでいる 。その観点から、味覚の専門家や愛好家を対象に、脳の中でどのように味覚の心象現象が生まれ形成されるのか理解するための知覚神経の教育機関である、l’École du Nezをジャン・ルノワール出版と共に共同設立。2018年からワインの分野における研究と革新に貢献しているアモリム・アカデミーのメンバーでもある。
*可塑性(かそせい)ー個体に力を加えて弾性限界を超える変形を与えた時、力を取り去っても歪みがそのまま残る性質